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水花が、4月7日にCHIC HALL 渋谷を舞台に主催公演『SUIKA FES Vol.1&2-RURI DEBUT LIVE-』を開催した。Vol.1&2ともに、MCを”なかじ”が担当。【Vol.1 公演】には、沖縄電子少女彩/Colorpointe/電影と少年CQ/寿々木ここね /MANACLE/水花がオケスタイルで。【Vol.2 公演】には、My Little Devil/yesAND/水花withBANDが出演。ここでは、第2部公演の模様をお届けする。
yesAND
生々しい気持ちのまま、感情の揺れ動くままに思いを伝える。だから歌や演奏に触れ、気持ちが嬉しく騒ぎだす。
Enaこと藤田恵名率いる、「見ても聴いてもジューシーなガールズバンド」のyesAND。「今晩は、yesANDです。季節外れでもいいじゃないですか」の声を上げ、歌い奏でたのが『冬に鳴くセミ』。軽快に鳴り響くギターのストロークに合わせ リズム隊が強いビートを叩きながら、観客たちの気持ちを前へ前へと突き動かす。感情を強く押し出す演奏の上で、ヴォーカル&ギターのEnaがエモーショナルな歌声を響かせる。言葉のひと言ひと言を大切に届けるバンドだ。ビート感の強いロックナンバーの上から響き渡るEnaの歌声からは、揺れ動く心模様が明瞭に伝わる。エモいなんて短絡的な言葉ではなく、生々しい気持ちのまま、感情の揺れ動くままに思いを伝える。だから歌や演奏に触れ、気持ちが嬉しく騒ぎだす。
マイナー調な演奏の上で、みずからの生き方を自身へ問いかけるように歌うEna。『逆光』でも、感情的な彼女の歌声を、3人の演奏陣が力強く押してゆく。巧みに緩急を付けながら、揺れ動く気持ちへ導かれるように、彼女たちは生きた生々しい演奏を通して、見ている人たちの心の内側を揺さぶり続けていった。
MCでは、主催ということから気づかいの多い水花のメンバーたちへ、Enaが感謝の思いを述べていた。yesANDは、3月22日に新宿BLAZEでお披露目ワンマンライブを行ったばかり。対バンライブはこの日が初めてということを、ここでは語っていた。
「わたしは,君が禿げたって太ったって好きだよという曲を作りました」の言葉に、フロアから「ありがとう」の声も上がっていた。軽やかに弾む鍵盤の音色の上で、Enaの歌声が響きだす。そこへ演奏陣が音を重ねだし、楽曲は厚みを増してゆく。『ショートカット』、少なからず自分のコンプレックスを抱いている人たちには、嬉しい励ましの歌になりそうだ。冒頭の言葉もあったことから、この曲では、歌詞を追いかけるように聴いていた人たちも多かったのでは??「君が禿ても、あたし良かったよ」の歌詞に心を励まされる方、ぜひこの曲を、直接ライブで耳にしていただきたい。
重厚かつグルーヴ感を持った演奏が舞台の上から降り注ぐ。『Carbuncle』でもyesANDは、気持ちの内側に渦巻く思いを、外へ外へと解き放つように歌い奏でていた。フロアにいる人たちも、ステージの上からダイレクトに耳や心に突き刺さる歌声や演奏に寄り添い、ゆったりと身体を揺らし、その思いを受け止めていた。Senaの野太い音を響かせるブルーズでロックンロールなギターのソロ演奏や、Enaの歌声へ寄り添うように奏でるフレーズの数々が、気持ちを嬉しく掻き立てる。けっして派手な楽曲ではない。だからこそ逆に、楽曲に込めた思いの一つ一つが感情の欠片となり、心の中へしっかりと積み重なっていった。
荒々しいドラムの演奏による幕開け。そこへ同期や楽器陣の音が重なるのを合図に、演奏が勢いよく駆けだした。『パズル』、気持ちを熱く騒がせる楽曲だ。ギターを置き、マイクを手にして歌うEna自身も、感情のアクセルをグッと踏み込み、沸き立つ思いを元気良く歌い放つ。とても熱いエナジーを撒き散らす楽曲だ。その勢いへ一緒に飛び乗り、身体を揺らし、クラップをしながら共に騒ごうか。
その勢いをさらに熱く加速するように、yesANDは『憧憬ホログラム』を演奏。バーストした楽曲の上で、気持ちを解き放つように熱情した声を響かせるEna。サビ歌では、エモーショナルな演奏を突きつけるメンバーらに向け、場内中から多くの拳が突き上がっていた。活動を始めて間もないバンドとはいえ、メンバーの揺れ動く感情がダイレクトに伝わる歌声や演奏を届けることもあり、たとえ初見でも、舞台の上からあふれでる演奏に心地よく身を任せ、エモく熱情した思いの数々を、みんなしっかりと受け止めていた。振り上がる拳の数が、yesANDを支持する声として目の前に記されていった。
https://www.yesand-official.com/
https://twitter.com/yesAND__BAND
My Little Devil
拳を突き上げ騒ぎまくってこそ、ここに存在している意味がある。
SEが鳴りだし、メンバーが一人一人舞台の上へ姿を現すたびに、場内中から熱い声とクラップが上がりだす。My Little Devilのライブは、最初から感情のアクセルを思いきりベタ踏みするように『Story』からスタート。気持ちを熱く掻き立てるエモーショナルな演奏と、BiBiの感情を振り乱し歌う声に触れ、身体を揺さぶらずにいれない。お立ち台の上から、今にもフロアへ飛び下りんばかりの勢いで歌うBiBi。彼女に向けて、大勢の人たちが身体を激しく折り畳み、沸き立つ思いを全力でぶつけていた。最初から熱情した感情と感情をぶつけあう、そんなバトルなライブが目の前に描きだされてゆく。
さらに勢いを増すように、ズクズクとした身体を突きさす強烈な音が襲いかかる。『曖昧なチューニング』でも彼女たちは、曖昧どころか強烈な刃のような音と歌を突きつけ、観客たちから理性を奪い去る。お立ち台の上で声を荒らげるBiBiに向け、大勢の人たちがヘドバンや拳を突き上げる景色が胸アツだ。My Little Devilのメンバーみんなが沸き立つ情熱を音の刃に変えて、観客たちへグサグサと突きつける。その刺激を受け、冷静でなどいれない。拳を突き上げ騒ぎまくってこそ、ここに存在している意味がある。
続く『花冷え』は、スケール大きなスタジアムロックナンバー。雄大かつシンフォニックな音色の上で、BiBiが雄々しく歌いあげる。そこへ激しい演奏が加わるのを合図に、楽曲は荒ぶる牙を剥き出しに観客たちへ襲いかかる。その衝撃に負けまいと、観客たちも声を荒らげ、拳を突き上げ、この場に熱情一体化した景色を作りだす。体感的な衝撃も強いが、気持ちを揺さぶるBiBiの歌にも感情が奮い立つ。巧みに緩急のドラマを描きながら、『花冷え』が観客たちの身体の中から熱狂というマグマを吹き出し、激情させていった。
さらに強烈な音をMy Little Devilは突きつけた。ラウドでエクストリームな『No Limit』が、この場にいる人たちの感情のストッパーを次々と破壊。雄々しき声を張り上げ、攻めるように歌うBiBi。彼女の感情を、暴風のような演奏が背中をガンガンに押し上げる。場内にいる人たちも、高く掲げた両手を高速で突き上げれば、頭を振り乱していた。
曲を進めるごとに、多種多様な表情を見せるMy Little Devil。『SHINY DAYS』、こちらも高速な楽曲だ。意外と正統派な歌系ハードロックナンバーながら、そこはイマドキのメンバーたち。胸に響くメロな歌を魅力にしながらも、演奏では、勢いよくハンマーを振り下ろすような衝撃満載の轟音を次々と突きつける。まさに、これぞ進化したハードロックなスタイル。BiBiと一緒に左右に大きく手を振りながら、頭をからっぽに暴れ続けたい。共に身体を激しく折り畳み、狂おしく乱れたい。熱情一体化したこの景色の中にいることが、無上の喜びだ。
ライブもラストブロックへ。My Little Devilが突きつけたのがシンフォニックでエクストリームなメタルコアナンバーの『「CODE NAME」』。激しく頭を振り乱し、声を荒らげるBiBi。とても攻撃的な演奏だ。いや、そんな生半可なものじゃない。身体をグサグサと射抜く音に煽られ、一緒に限界を超える勢いで乱れ狂いたい。フロアには2STEPを踏む人たちも登場。サビでは、舞台と客席で掲げた拳を交わし合う景色も誕生。身体と身体を、気迫と気迫をぶつけあう様こそ、まさに生きたライブだ。
さらに勢いを加速するように『GAME OVER&OVER』が飛びだした。場内中から上がる野太い声・声・声。フロアの前方には、2STEPを踏み、拳を振り上げ、野太い声を張り上げる猛者たちが集まり、My Little Devilとガチンコで沸き立つ感情を戦わせていた。後半には、BiBiと観客たちが雄叫びのような声を交わしあう場面も誕生。メンバーも観客たちも一緒に頭を振り続ける景色が、最強に、劇的なほどに胸アツだ。
最後に突きつけた『Last Beginning』でも、頭を振り乱し演奏するメンバーらの気持ちとシンクロするように、観客たちも頭を振り乱せば、サビ歌ではヘドバンや拳を突き上げるなど、BiBiと同じ動きを真似ながら、熱情した気持ちをさらに大きく膨らませ、この場に汗飛び散る凄まじい景色を作りあげていった。My Little Devilは最高に熱狂した燃えるバトンを、水花に渡していった。
https://twitter.com/MyLittleDevil11
水花with BAND
水花は今、地下室から眩しい光が照らす大きな場へ駆け上がろうとしている。
この日より、新メンバーにるりを迎え、新体制としてスタートした水花。第1部の主催公演ではオケスタイルでパフォーマンスしていたが、第2部では水花withBAND(PASUMO)というスタイルで登場。
壮麗な音色が響き渡るスケール大きなインストナンバーの『Shelter』に乗せ、メンバーらが 舞台へ登場。生演奏に導かれてというのも、水花withBANDスタイルだからこその嬉しい見どころだ。
ライブは、スリリングでジャジーなムードを描くように『Super Alien』からスタート。ファンキーかつソウルフルな音色と、心地よい緊張感を持った跳ねた演奏の上で、メンバーたちが歌声を舞い躍らせる。いや、ここはスリリングな空気を4人とも歌声で作り上げ、この場に、妖しい大人の色気乱れあふれる景色を描きだしたと伝えたほうが正しいだろう。攻めたジャジーな演奏の上で、華麗に舞い躍るメンバーたち。でも、歌いだしたとたん、早口で、妖しく挑発するようにせまりだす。まるで舞台劇を演じるように、彼女たちは魅せる歌唱&パフォーマンスを示していた。オケではなく、生演奏だからこそ、バンドメンバーたちも巧みにセッションプレイを繰り広げながら、楽曲をよりドラマチックに彩ってゆく。ほんと、食い入るように魅入るライブだ。
歪むギターの音が攻撃的なリフを次々と刻みだす。しばしギターソロのコーナーへ。観客たちの視線を釘付けにしたうえで、ドラムの演奏が加わるのを合図に、楽曲は熱情した音をほとばしらせて一気に駆けだした。メンバーたちの煽る声に合わせ、観客たちも声を張り上げ、拳を突き上げる。届けたのが『サヴァイヴ』だ。荒ぶる演奏の上に気持ちを乗せた4人は、みずからも気持ちを熱く奮い立て、流れ出る音と一緒に高ぶる感情を雄々しい声に乗せてぶつけていた。メンバーみんな身体を前のめりに、観客たちへ挑みかかる姿で、挑発するように歌っていた。凛々しい、いや、雄々しいその姿に刺激を受け、フロアからたくさんの拳やペンライトが4人に向かって突き上がる。間奏では、メンバーと観客たちが「Oi!Oi!」と声を荒らげ、共に熱狂をむさぼりだす。水花の中にある攻撃的な姿を、この曲を通して存分に味わえたのも嬉しい。バンドスタイルを通すことで、より大人の色気を増した水花の姿をこの日は味わえていた。
MCでは、新メンバーのるりが「この後も死ぬ気で頑張るので、みんなも死ぬ気で向かってきて」と熱い言葉を述べていた。
次に届けたのが、『サマーシャワーの約束』。いつもは落ちサビを亡くなった元メンバー・九重りつの音声を使っているが、この日は生演奏ということから、るりが担当。『サマーシャワーの約束』はシティポップ調のアーバンでスタイリッシュな楽曲。都会のお洒落な女性たちとしての面も持つ、大人びた彼女たちにとても似合う表情だ。舞台の上で可憐に、でもしっかりと華やかさを醸し出し、歌い躍るメンバーたち。まるで映画の一場面を、歌声を通して目の前に映し出すような感覚を覚えながら、しばし優しい夏の陽差しを心に感じつつ、彼女たちのパフォーマンスを見つめていた。途中に登場するセリフパートで魅せた一人一人の声の表情も見どころだが、その後、4人で思いを一つに可憐に歌あげる姿も、印象深く瞼に焼きついた。
表情を一気に塗りかえるように,長尾千尋が作詞を担当した『導〜しるべ〜』では,熱を上げて駆けだした演奏の上で、4人は最初から強い歌声を魅力に観客たちを煽りだす。歌っている間は、4人とも曲の世界へ身を投じ、歌の世界へ感情を染めあげてパフォーマンスをしてゆく。でも、その間も視線はずっと挑発するようにフロアへ向けられていた。後半には、メンバーたちが情熱的な歌声を響かせれば、終盤には沸き立つ思いを一つに、力を振り絞るように熱情した声を響かせ、観客たちの気持ちを高ぶらせていった。
最後に水花は『DAYBREAK』を熱唱。4人が熱情した思いを一つに熱く熱く歌いあげる声に刺激を受け、場内からも野太い声が飛び交えば、カラフルなペンライトの輝きが大きく揺れ動く。一人一人が、歌詞に込めた熱情した思いを歌に乗せて解き放つように、晴れ渡る声を上げていた。間奏では、メンバーらの突き上げる腕に合わせ、野太い声と共にたくさんの拳が突き上がる。メンバーたちは、攻めるような逞しい感情と自信に満ちた思いを胸に終始雄々しく歌いあげれば、観客たちと熱情した思いを交わし続ける。「この場所からまた始めよう」の歌詞のように、水花は今、地下室から眩しい光が照らす大きな場へ駆け上がろうとしている。その決意を4人は『DAYBREAK』に乗せて宣言するように伝えていた。まさに、今の水花の攻めた姿勢を示したライブだった。最後に、みんなで飛び跳ねてライブを締めた様も、胸アツだった。
https://sui-ka.jp/
https://twitter.com/suika_official
PHOTO:大西慧
TEXT:長澤智典
【水花 INFOMATION】
水花公式サイト https://suika-jp
水花公式X(Twitter) https://twitter.com/suika_official
水花公式YouTube https://www.youtube.com/channel/UCIRbXujeq2V8rf9BHQhpKaw
5/25(土)青山 月見ル君想フ
るり生誕『Lust for Life』
出演※敬称略:るり(ソロ)/水花/松原みずき/松永天馬(アーバンギャルド)
詳細▶︎https://tiget.net/events/312704
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