2022.09.12

• ライブレポート

9月に入り、徐々に薄手の上着を着用する人々も増え、夏の終わりも感じさせてきた。筆者自身はどのシーズンにおいても衣替えというのが1テンポ遅く、きっと今年も “寒い” と感じてようやく秋の訪れを実感し、秋服を購入し始める頃には冬が訪れているという、いわゆる「準備不足」となるであろう。この日の渋谷の街もいくらか涼し気な気候に恵まれ、土日ともなると日本でも1、2を争うほどの人で溢れかえっていた。

そんな季節の変わり目とも言えるこの日、アイドルグループの大宮I☆DOLLも一つの転機となる1日を迎えていた。長きに渡ってグループのリーダーとして活動してきた白川ももがグループを卒業、そして新メンバーとして市ノ瀬律が新たに加入というグループの根幹にも関わる大きな変化が生まれる1日だった。その節目をVeats Shibuyaで7thワンマンライブ『Our way of life』と題し2部構成で行われ、筆者は2部の開演を前に現地へと赴いた。

1部は都合により向かえず、白川の最後のステージを目の当たりに出来なかったことが非常に残念ではあったが、その彼女の想いを引き継いで新たに5人での活動をリスタートする “新生大宮Ｉ☆DOLL” のワンマンライブの模様を綴っていく。

フロア入り口にはスタンドフラワーも2種類用意されており、文字通り2つの意味を持ったワンマンライブとなった。この日駆けつけたファンの多くも、1部・2部とそれぞれライブを目の当たりにしたのではないだろうか。”熱いライブ” をするとメンバーが語っていたように、多くのファンがオリジナルTシャツに身を包んで既に臨戦態勢となっていた。

SEが流れ、この日お披露目した新衣装に身を包んだメンバーが順にステージへと登場する。そして彼女たちの新体制は『偶像Moments』で幕を開けた。メンバーたちのクラップを煽る振りに合わせてファンの手拍子も始まり、「いよいよ始まった」というような、ある種の緊張感も会場には漂っていた。インタビューでは終始フワッとした空気感で “癒し” の存在となっていた渡辺も、既にスイッチが入り力強い眼差しで魅了していく。姫宮も『最新が最高！』とシャウトするなど、長い髪を振り乱しながら熱の籠ったパフォーマンスで熱いライブを盛り立てていき、彼女たちのまさしく “カッコよさ” が存分に凝縮された幕開けとなった。

続けて間を空けることなく2曲目の『REVIVER』へ。立て続けにノンストップでライブを展開していくのも、彼女たち、大宮I☆DOLLの魅力の一つだ。グループの “象徴” 的な存在でもある今野は一つ一つの振りにも華があり、声色も変化させながら楽曲に色付けしていく。初めて大宮I☆DOLLとしてのステージに立った市ノ瀬も全くと言って良いほど違和感がない堂々としたステージで、彼女自身グループに憧れて加入したと語っていたが、しっかりとグループの色に馴染んでいる姿が逞しくも感じられた。

激しいダンスも一瞬たりとも力を抜くことなく駆け抜けていき、曲が終わりMCへと移っていく。

この2部からグループの “新キャプテン” となった今野から順に自己紹介をしていき、新たに加入した市ノ瀬も改めてファンへ挨拶した。写真のように多くのファンが既に彼女の担当カラーである黄色のペンライトで彼女を温かく迎え入れ、その光景にも感謝の言葉を伝えた。

そして市ノ瀬は、大宮I☆DOLLのメンバーの一員としてこのステージに立てたこと、本当に本当に幸せです！アイドールファミリーの皆さんとお会いするのは今日が初めてですが、いつもメンバーさんのお話やSNSで身近に感じていたので、「ようやく会えた」という気持ちで凄く嬉しいです！また以前から私のことを応援してくれて、今日ここに集まってくれたファンの皆さん。アイドルじゃない時間も好きでいてくれて、またこうして私と歩き出すことを選んでくれて、私はとってもとっても幸せ者です。ありがとうございます！大宮I☆DOLLという8年も歴史あるグループに入れていただけたこと、本当に光栄でありがたいことだと思っています。今までの全ての先輩メンバーさんの活躍や苦労、たくさんの積み重ねがあって今の大宮I☆DOLLがあるということ、そのすべてを理解しているとはとても言えませんが、私は今、半端な覚悟でこのステージに立っているわけではありません！大宮I☆DOLLのメンバーになるからには、普通の新メンバーではなく、”ビッグルーキー” と呼ばれたいです！振り返ったときに市ノ瀬律の加入で歴史が動いた、ステップアップした、と言われるような存在になりたいです！ファンの方の応援がないと上にいくことはできないので、私にとって一人一人が凄く凄く大切です！いつまでも応援したいと思ってもらえるようにここで精一杯頑張りますので、これからよろしくお願いします！（全文）

と決意も込められた挨拶をし、ファンも大いに期待を寄せる力強いメッセージだったのではないだろうか。

そして渡辺から『最高の仲間と最高の景色を今から見に飛んでいきます』と語り、次の曲となる『君となら』へ。

ここからノンストップで駆け抜けていく会場が熱気に帯びていく圧巻のステージが始まる。オーディエンスも見事に揃った手拍子やペンライトを激しく振るなどして彼女たちと共にライブを熱いものにしていく。小柄で愛嬌のある桜井も、随所に見せる笑顔が愛くるしいが、ステージで見せるパフォーマンスには小柄な身体からは想像できないほどのエネルギーに満ちた力強さを感じた。

続いて王道のアイドルナンバー、『ガチ恋ジレンマ』で、この日会場を埋め尽くしたファンへ向けてストレートに “好き” という言葉をステージからピストルの如く打ち続けていく。渡辺はスイングするような仕草があったように一人打ち方が違ったが（笑）終始 “カッコよさ” を見せる彼女たちが、この曲では一人の女の子として想いを込めて歌う姿は、ある意味ギャップも感じさせファンを大いにキュンとさせてくれた時間だったのではないだろうか。

『バイバイ、夏』は、切なさを感じさせるイントロから始まり、これまでの激しいダンスからは一転、各メンバーが最大級の想いを乗せて歌い上げる姿は圧巻。5人とも芯の通った図太くパワフルな歌声を響かせるため、サビで5人の声が集約されるときの力強さは凄まじい力があった。”失恋” をテーマにしたかなり切なさのある曲だが、彼女たちが歌うことでどこまでも前向きになれる、背中を押してくれる “応援ソング” としても聴くことができる一曲となっていた。1部で白川の卒業も見送り、どことなく彼女へ捧げる一曲となっているようにも捉えることができ、感動的なシーンにもなった。

まだまだアップテンポのナンバー、『永遠Dreamer』で捲くし立てていく。新リーダーとなり強い覚悟で新たにリスタートを切った今野からも指先まで意志のある、信念の強さも感じられ、熱い大宮I☆DOLLのライブを誰よりも体現しようとする姿があった。オーラすらも漂う佇まいで他の4人のメンバーたちを引っ張り続けていく本物のリーダーの姿がそこにはあった。その今野が作り上げた空気に、落ちサビで歌唱した姫宮も、抜群の歌唱力でエッセンスを加える。ツインテールがチャームポイントでもある “姫ちゃん” だが、その歌声は文字通り “歌姫” そのものだ。ラストではサビのフレーズを何度も繰り返すロングVer.でお届け。どんどんとファンが振るペンライトも力強さを増していくのがはっきりと目に見えてわかり、没入してライブを楽しむことができる、彼女たちのライブの魅力が存分に伝わるステージだった。

「まだまだノンストップライブ続きます、声出していきましょー！」と更なる盛り上がりを煽っていく渡辺。メンバーたちも順に給水を挟んでいくが、ライブは止まることはなく次の『Freedom』へ。イントロではそれぞれのメンバーが異なる振りのハイテンポのダンスで魅了し、激しいライブは更なる熱気を増していく。ファンのリズミカルな手拍子も含めて楽曲は創り上げられ、市ノ瀬も初の大宮I☆DOLLでのステージを、”ゴールデンルーキー” らしく華々しく彩りを加えていた。

またまた渡辺から「心を一つにしていきましょー！」と熱いメッセージと共に始まった『無限大アンビシャス』。会場中が右手の握りこぶしを真っすぐと突き上げる姿は、もはやアイドルのステージを超越したエネルギーを解き放っていた。きっとファンの多くも、そのエネルギーを受け取りに彼女たちを追い続けているのだろう。話すとちょっぴり天然な一面も見せる渡辺も、ステージ上で見せる目力の強さや真っすぐと立つ佇まいは、普段の彼女との強烈なギャップで魅力に溢れていた。

今野の強烈な前蹴りは、きっと食らったら悶絶するだろうな、とやや脱線した印象から始まった、早くも9曲目となった『Starry Days』。大事に想いを乗せた桜井の歌い出しから始まり、疾走感のある楽曲はメンバーたちの爽やかな笑顔も加わって、ショートver.でのパフォーマンスではあったがあっという間に終わってしまったと感じてしまう一曲だった。激しく腕を振り上げる振りはかなり体力も消耗していくと思うが、これも日頃から『アイドル育成型ライブカフェI DOLL』の店舗でのライブも含めて数々のライブを経験してきた彼女たちにとってはたやすいものなのかもしれない。この辺りから彼女たちの基礎体力の凄みも感じていた。

今野から「今日は大宮I☆DOLLに時間をくれてありがとうございます！一緒に未来を歩いてください」というメッセージから始まった『I Will…』。明るい未来への願いをこめるように上方を見つめるメンバーたちの瞳には強い想いが映っていた。ライブも最終盤に突入してきたこともあるが、彼女たちが描く物語も新たな章へと移り変わろうとしているかのよう。先ほどまでメンバーたちと共に熱くライブを盛り上げてきたファンも、この曲のときは幾らか動きも大人しくなり、真っすぐに彼女たちを見つめ、溢れ出る想いをこぼさないように受け取っているかのようだった。汗で髪も乱れ始めてきていた今野を中心に、同じ想いで紡がれた5人のメンバーが、自分たちだけのステージで思い思いの動きで表現する姿に、気付けば私も、彼女たちと同様に心の底で願いを込めていた。

今回のワンマンライブの表題曲ともいえる『My way of life』で本編のラストを飾る。同じ志を持ったメンバーたちが、このステージに立つ “証” を示すように、自身が持ちうる最大級のパフォーマンスで最後まで駆け抜けていった。途中センターの今野の元に4人が駆け寄るシーンがあったが、そのときに見せた今野の笑顔が、この日一番の輝きを放っており、この先も責任感の強い彼女を4人が支え成長していくグループの姿もイメージ出来、この日のハイライトといえるシーンだったかもしれない。MCを一度挟み11曲を全力で駆け抜けていき、やや疲れも見え始めていたが、それも彼女たちの “生きる道” の一つ。その先になって見える感情を包み隠すことなくさらけ出し、多くの “感動” を生んでいた。曲が終わり、5人とも晴れ晴れとした表情で挨拶をし、一度袖へと捌けていく。

大きなアンコールの手拍子の中、この日のために制作されたオリジナルTシャツに身を包んで再びステージへと登場した大宮I☆DOLLのメンバーたち。そしてアンコールでは『永遠Dreamer』、『REVIVER』の2曲を届けた。本編でも披露した2曲だが先ほどよりもどことなく緊張感も上手く抜けた、爽やかな表情で歌っていたのが印象的だった。パフォーマンスにも余裕が見られ、今日のこの景色を2曲の間に目に焼き付けるように、隅々までレスを届けながら最後まで彼女たちらしく力強く駆け抜けていった。

アンコールも終わり、最後に一人ずつ挨拶していった。

市ノ瀬：今日は『Our way of life』、大宮I☆DOLLワンマンライブに来ていただきありがとうございます！皆さんのおかげでとってもとっても幸せな時間でした！いつも優しくてたくさんのことを教えてくれるこんなに素敵なメンバーさんと、大宮I☆DOLLのために凄い熱量で尽力してくださる運営さん。私はこれまで5年ほどアイドル活動をしてきましたが、こんなに最高なグループは他にないと確信しています！大宮I☆DOLLで大きくなりたいです！私はここに骨を埋める覚悟なので、皆さんも一緒にここでお墓をたてましょう！今日は本当にありがとうございました！黄色担当、市ノ瀬律でした！

姫宮：ピンク色担当、”姫ちゃん” こと姫宮花凛です！本日は7thワンマンライブ『Our way of life』に来てくださりありがとうございます！姫ちゃんは前回の6回目のワンマンライブでアイドールBLAVEの方から移籍しますという発表をさせていただいて、なので今回のワンマンライブが、全部丸々出演させていただくのは初めてだったんですけど、1部はキャプテンの白川ももさんがいらっしゃるステージ、2部は市ノ瀬律ちゃんのいるステージで、姫ちゃんにとっても初めての大宮I☆DOLLでのワンマンライブのステージに立てて、凄く嬉しかったです！これからも応援よろしくお願いします！ありがとうございました！

桜井：水色担当の桜井ひとみです！本日はワンマンライブにお越しくださり本当にありがとうございます！凄い始まる前はね、みんな凄い緊張してたんですけど、始まったみたら凄いあっという間で、凄い幸せな時間でした！本当にありがとうございます！大宮I☆DOLLをずっと応援してくださってる方も、今日新しく大宮I☆DOLLを見てくださった方も、一緒にこれから、私たち5人と前を向いていけたら良いなって思ってます！私もこの5人と大宮I☆DOLLに骨をうずめる覚悟でね（笑）やっていこうと思ってますので、これからも応援よろしくお願いします！

渡辺：18歳の渡辺綾です！（笑）皆さん、『Our way of life』お越しいただきありがとうございました！『Our way of life』、皆さん意味はご存じですか？『My way of life』は私たち、大宮I☆DOLLの “生きる道” って意味だったんですけど、『Our way of life』はこの5人ではなく、皆さんが6人目のメンバーとして一緒に大宮I☆DOLLを大きく羽ばたかせていきたい、という思いで、『Our way of life』と付けられました！本当にこの5人だけでは羽ばたけないですし、皆さんがいて、そして支えてくださる事務所のスタッフさんがいて、こうしてワンマンライブも開催されます。ワンマンライブが開催できることは当たり前じゃなくて、大宮I☆DOLLは年に1回くらい定期的にやらせていただけているので、凄く嬉しく思います！それはここにいる皆さんのおかげです！これからも最高の景色を一緒に見に行きましょう！今日はありがとうございました！

今野：改めまして大宮I☆DOLL1期生、そしてキャプテンになりました、今野梨奈です！こうして7回目のワンマンライブが出来るのは、ここにいる一人一人の応援と支えのおかげです！今まで本当に本当に8年間色んな事があって、躓いてしまうこともいっぱいあったけど、これからは大宮I☆DOLLを私が守り、攻めていきたいと思います！皆さんも大宮I☆DOLLのことをたくさんたくさん、愛してください！本日はありがとうございました！

そして改めて今野から新たに加入した市ノ瀬に、「加入してくれてありがとう！」という言葉、そして市ノ瀬のファンからだという花束が贈られた。また、妹グループである、アイドールBLAVE、Lapisのメンバーたちもステージへと現れ、メンバーたちにメンバーカラーの花束を届けた。

最後に集合写真を撮影し、彼女たちにとって重要な節目となった1日に渡る7回目のワンマンライブの幕は閉じた。キャプテンの卒業によって大きく衰退する可能性も十分考えられた大宮I☆DOLLだが、市ノ瀬律という心強い仲間が加わり、この先の未来に向けても明るい視界が広がった2部の公演になったのではないだろうか。この日のライブを目の当たりにしたファンは、しっかりと彼女たちの姿を目に焼き付け、メッセージを受け取っていたと思う。ライブで見せる圧倒的なパフォーマンスや、店舗で見せる一人の女の子としてのありのままの姿など、シーンによって様々な顔を見せくれる5人のメンバーたち。アイドルにとって重要な季節でもある夏を終え、これから年末に向かって突き進んでいくだろう。今週も多くのライブイベントに出演を果たし、アイドルファンたちに “熱い想い” を届け続ける大宮I☆DOLL。この日のステージを胸に刻み、今後見せてくれるであろう更なる飛躍もしっかりと見届けていきたい。

 

文：山本 智貴

 

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大宮I☆DOLL 7thワンマンライブ『Our way of life』
2022.09.03(Sat). at Veats Shibuya

【セットリスト】
01.偶像Moments
02.REVIVER
03.君となら
04.ガチ恋ジレンマ
05.バイバイ、夏
06.永遠Dreamer(ロングVer.)
07.Freedom(7thワンマンスペシャルVer.)
08.無限大アンビシャス(ショートVer.)
09.Starry Days(ショートVer.)
10.I Will…
11.My way of life

En01.永遠Dreamer
En02.REVIVER

■大宮I☆DOLL　オフィシャルTwitter
https://twitter.com/idoll_omiya

■大宮I☆DOLL　オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/c/omiyaidoll

■各種楽曲配信サービスにて楽曲配信中
https://big-up.style/artists/176120

■大宮I☆DOLL『My way of life』MV
https://youtu.be/gK3k1kjsY_8

 

【メンバーSNS】

今野 梨奈
Twitter：@rinachankonno

渡辺 綾
Twitter：@ayachaaaan_w

桜井 ひとみ
Twitter：@hitomi_idoll

姫宮 花凛
Twitter：@karin_idoll

市ノ瀬 律
Twitter：@ritsu_idoll

 

【卒業メンバーSNS】

白川 もも
Twitter：@momo_idoll