ゑんら:【ライブレポート】3周年記念ワンマンライブ-起死回生- 様々な思いを胸に挑んだ、ゑんら渾身のステージ。改めて感じた”ゑんら”という大好きな場所。このライブを機に再び動き出す、ゑんらとファンのストーリー

ゑんら:【ライブレポート】3周年記念ワンマンライブ-起死回生- 様々な思いを胸に挑んだ、ゑんら渾身のステージ。改めて感じた”ゑんら”という大好きな場所。このライブを機に再び動き出す、ゑんらとファンのストーリー

木乃伊みさと、滝口ひかり、滝口きららのセルフプロデュースアイドル「ゑんら」は、2021年2月10日にデビューから3年の月日が経った。2018年のデビューから、早いもので3年が経った。それまで様々な出来事があったが、彼女たちなりに力強く活動を続けてきた。2020年からは、世界が一変してしまう、未曾有の状況に。彼女たちもまた、活動を制限されてしまう部分が多数があったが、それでも「ゑんら」として活動を続けることに変わりはなかった。それは、彼女たちが、ゑんらという存在とメンバーのことを心から愛し、好きでい続けたからだ。自分たちがやりたいことをする。それは、ゑんらが掲げてきたこと。デビューの時からも、3年経った今でも変わらない。彼女たちは、自分たちのやりたいことを、ゑんらでやり続けてきた。彼女たちがずっと輝いているのは、その思いの強さと形にできる能力だろう。
前述の通り、2020年は、思うような活動ができなかった。だけど、またここからゑんらは前に進んでいく。今回のワンマンライブのタイトル通り、起死回生を図る。そんな想いを感じられたステージだった。ゑんらの周年記念やワンマンライブでは、バンドセットで行うが、今回もバンドセットでの開催だった。この記事では、その3周年記念ワンマンライブの様子をレポートしていく。

ゑんらにとって、久々の大きなワンマンライブだ。ゑんらが定期公演以外でワンマンライブを行うのは、ちょうど1年前の2周年記念のワンマンライブ以来。今回会場に選ばれたのは、『赤羽Reny alpha』。久々のゑんらのワンマンライブを楽しみにしているファンが、数多く会場に集まった。チケットはSOLD OUT。久々のゑんらの記念ライブに向けて、心を躍らせている様子が見られ、そして会場はすごく温かい雰囲気が漂っていた。

開演に先立ち、ゑんらの3人から影アナが。ライブ注意事項を話した後、ライブへの意気込みを語った。これに、大きな拍手が巻き起こる。そしていよいよ開演時間を迎えた。

バンドメンバーの準備が終わると、軽快に音を鳴らし始めた。会場に響き渡る、バンドの音。そのサウンドだけでも、心を昂ぶらせてくれる。メンバーの登場前に、ステージ中央にあるスクリーンに映像が流れる。内容は、ゑんらについて。最初に、「この物語は、私たちと皆さんとの脇役のいないストーリー」と語る。街並みをゆっくりと歩くメンバーの映像に合わせて、それぞれのメンバーのナレーションが流れた。ゑんらのことが大好きであることと、『ここから始まる、ゑんらの感動超大作のストーリー』であること、そしてファンの皆さんに、このライブを機に起死回生、大逆転劇すると誓う内容だった。

バンドの音が止まると、ゆっくりと3人が登場。観客からは、拍手が巻き起こった。3人は、グレーの着物風な作りに、スリット、レース、柄の入った個性を際立たせる新衣装を身に纏い、白の和傘を持って登場した。

この3周年記念ワンマンライブの1曲目に選ばれたのは、ゑんら始まりの曲「心中ミッドナイト遊園」。筆者の自分は、1周年記念、2周年記念のワンマンライブをどちらも記事にしており、改めてその時のセットリストを見返してみたら、どちらのライブも1曲目は、「心中ミッドナイト遊園」だった。周年記念ワンマンライブでは、毎回、「心中ミッドナイト遊園」から始まるのだ。
そんなスタートの定番曲を、最初から3人は美しい歌声をもって、綺麗に表現していく。木乃伊みさとが丁寧に歌うと、滝口きららがファルセットを使いながら美しく歌う。滝口ひかりがエンジンをかけるように力強く歌う。こうして本編は始まった。痺れる魅惑のゑんらのサウンドが、バンド演奏によって迫力を増す。3人はリズムを取りながら、一人一人丁寧に、軽やかに歌い上げていった。サビで、頭上で手を回し、<魑魅魍魎>というパートでジャンプ。オーディエンスは、この情勢のため、声は出せないが、クラップでゑんらのステージを盛り上げる。その後も、歌声を変えつつ、ダンスでこの歌を的確に表現しながら、パワフルなパフォーマンスを展開。それでいて、3人がハーモニーを重ねて、オーディエンスを存分に魅了していく。終盤では、きららからひかり、みさとへと歌い継ぎ、ラスサビで、更に勢いを高めていった。気持ちの良いスタートを切った。

そして次は、2020年に発表した「アバンギャルドおばけ」へ。キャッチーながら聴きやすく魅力のあるこの楽曲を、おばけを連想させる振りや力漲る熱唱で展開していく3人。優しく歌うパートと力強く歌うパートで強弱を付ける。ゑんらの持つ高い技術を見せながら、どんどん会場を熱くさせていった。そのパフォーマンスには、強い気持ちと気合いを感じた。セリフパートも印象的。ゑんらの音楽を存分に楽しむことができた。愉しくて、心躍る空間がそこに広がっていた。

その後は、ゑんらのライブ定番になっているキラーチューンで、ヒートアップさせる「アンバランス」、ゑんらの楽曲の中で、一番ストレートに感情を伝える、きらら作詞の楽曲「つぼみ」と続き、オーディエンスをどんどんのゑんらへと世界に引き込んでいった。

4曲を連続で披露すると、バンドメンバー紹介と自己紹介をバンドの音の中で行った後、どんどん楽曲を披露していった。

次は、今年の定期公演で初披露した新曲「オカルトブルー」。スタートで、気持ち良いくらいのドラム音と、ベースのスラップ音が会場に響く。そして<どこまでも どこまでも>と爽やかに歌い上げるメンバー。手を水平に前に差し出して振って、大きく手を広げる。そのダンスに反応するように、観客は振りコピ。この爽やかなミュージックに合わせて、みんなが一体になっていく様子が見られた。3人は無邪気に歌い、踊る。心地良い音楽と、メンバーのエンジョイする姿。それを見ているだけですごく楽しいし、微笑ましい。一緒に手を振ったり、ジャンプしたり、全員でこの楽しい空間を作っている感覚となった。ゑんらの楽曲の中で、一番爽やかな楽曲であるであろう「オカルトブルー」は、すごく良い曲だし、ゑんらのポテンシャルや可能性を引き出す楽曲であること間違いなし。最後まで笑顔でこの楽曲を演じ、我々に素晴らしい時間にしてくれていた。

その後は、思い入れのある方も多いであろう「妖怪ディスコ」を、エネルギッシュにパフォーマンスし、一緒にジャンプをして会場を熱くさせる。
ゑんらの表現力の高さが伺えつつ、一緒に踊ることができる「迷い呪縛霊」、3人のパフォーマンスのシンクロ率を存分に見せつけたポップミュージックの「呪いの飴」、綺麗なコード進行によって聴きやすいサウンドが特徴、個性を輝かせていた「レトロ花子」、情景描写がしやすい歌詞、しっとりとしたメロディー、伸びやかな歌唱、3人のハモりアレンジが圧巻だったバラード曲「君がいない」と続いた。時にお互いの良さを引き出すように歌声を重ね、時にアカペラで歌い観客を見惚れさせる。3人は、凄まじいステージを魅せてくれていた。その姿は美しく、カッコ良い。

音の中で生きている。ゑんらの持つ魅力的な楽曲を、この素晴らしいバンド陣形が奏でる音で聴くと、なぜかよりそう思った。それくらいゑんらのファンにとっては、ゑんらの楽曲一個一個が大切だし、好きである。改めてゑんらの楽曲、パフォーマンスのクオリティの高さを痛感した。これが、ゑんらなのだ、と。

連続で楽曲を披露すると、MCヘ。このMCでは、3人がそれぞれにこの1年間で感じたこと、今の思いを述べていた。

まずは滝口ひかりが語る。
今回の3周年記念ライブが開催できると思っておらず、それまでは『やりたいからやる』がモットーだったのに、コロナ禍で思うようなことができなくなってしまった。正直、『3人はこれからどうするか?』という話になったという。そもそもゑんらは解散をしたい訳ではなく、やりたいことをやるだけ。滝口ひかりは、芸能界で生き残りたいとか、この先、絶対女優になりたいとかはない。ひかりはゑんらでいられれば良いのだから、今このステージに立っているのであると語った。
昨年の2020年は、ゑんらの活動があまりできなくなってしまったから、一回だけ「もう無理かも」と思ってしまったことがあった。そんな弱気になっている時に、ゑんらのマネージャーから、「もったいないないよ」 「もう少し頑張ってみようよ」 「君たちはまだできる」と言ってもらい、その一言で、勇気付けられたと同時にホッとした、初心に帰ったと述べた。”初心に戻れた”という意味では、良いきっかけだったかもしれない、と。この3周年記念ワンマンライブをきっかけに、もっと頑張っていこうと思っているので、改めて応援して欲しいと話した。

滝口きららが次に話した。
デビューしてから3年という月日が経ち、2月10日で4年目に入っていたが、それまでがすごく早く感じ、特にコロナ禍前の2018-2019が、特に一番大変だったと話す。それは、セルフプロデュースが初めてだったからみんな分からないことだらけだった。昨年までのワンマンライブの直前は、いつも何かしら問題が起きていたため、その度にきららはイライラしていたという。「なんでこんなにうまくいかないの!?」と怒りの感情を抱くことがあった。振り返ると色々とあったし、逆にコロナ禍では何もなさすぎたけど、やっぱり事件があったり、トラブルがあったりするからこそ、ゑんらとして生きていると実感したと述べた。そんな出来事も含めて楽しかったんだな、と。今でこそ、少しずつライブができるようになってきているが、声出しやコールなど、コロナ禍の前には戻っていない。だけど、その日が来るまで頑張りたいと意気込んだ。まだ4年目とは言わず、これからもずっと皆さんと一緒に歩んでいきたいので、これからもずっと側にいて欲しい、とお願いした。

最後は、木乃伊みさと。
まずは、この日のこのライブが開催できたこと、2周年記念ワンマンライブからこの日まで、ゑんらが壊れなくて良かったと思っていると素直に語った。コロナ禍によって、ゑんらだけじゃなく、この業界自体がパニックを起こしてしまっている。現実として、色んなアーティスト、アイドルが辞めていくという状況の中、ゑんらとして活動できるようになったことは、改めて安心できたと話す。良かったのは、ゑんらがセルフプロデュースで活動していること。事務所での問題やしがらみがあることは、良いこともあるが、悪いこともある。だけど、ゑんらはセルフプロデュース。グループとして事務所に所属していないからこそ、楽だった部分もあるという。続けてみさとは、正直に話し出した。3人でどこかの企業に就職をしようかという話にもなったことがあった。活動ができなさすぎて、そうしようか悩んでいたそうだ。
しかし、それは思い留まり、今このステージに立てている。このように再度活動できるようになってきたのは、紛れもなくファンの皆さんのおかげ。感謝しかないと語った。応援してくれる人が1人でもいてくれる限りは、ゑんらとして活動し、皆さんと寄り添っていきたいと、厚い感謝と共に意気込みを語った。

3人が思いの丈を述べ、ライブに戻った。

ライブも早くも終盤に。

ゑんら楽曲の中で一番のポップで、一番ダンスが激しいアッパーチューン「ホラーかわいい」へ。大きなステップ、ジャンプなど、はしゃぐようにどんどん踊るゑんら。それに合わせて、ファンも一緒に踊る。観客の楽しい姿を見て、メンバーから笑みが溢れていた。そのようなお互いの関係性は、今までと変わらず、温かくて心地良い。終盤になるにつれて、どんどん勢いが高まっていき、会場の全員が愉しむ様子が見られた。この曲では、滝口ひかりがバズーカ型のクラッカーを客席に向かって発射。同時に滝口きららと木乃伊みさとが、手に持っていたおもちゃの蜘蛛の巣で、客席に糸を投げ込むというパフォーマンス。楽しい仕掛けと共に、ピースフルでボルテージを上げる。それが「ホラーかわいい」という曲だ。

その後は、座礼のポーズから始まり、歌舞伎をモチーフとしたダンスが特徴の「リンネ転生」、独特なダンスと高い音楽性で酔いしれる「厄猫」、3人の美しい歌声のコントラストを会場に響かせながら、生気に満ち溢れたパフォーマンスを展開する「さよならを教えて」と続いた。

そしてこのライブもとうとう最後の1曲になってしまった。最後に選んだのは、ゑんらとファンとの絆を描いた楽曲「だいだらぼっち」。力強く拳を掲げて大きく振り、サビでは、思いを込めて強く歌い、踊る。ファンも呼応するように、気持ちよく体を揺らす姿が見られた。3人が肩を組んで左右に揺れたり、手を重ねて上に掲げたりして、ゑんらの絆を、パフォーマンスを通して、改めて体現。ファンともその思いを共有し、絆の強さを再確認していた。終盤では、3人がアカペラで歌い上げる。感情が乗った美しい歌声は、見事の一言。どんな瞬間も3人は輝いていたし、会場が間違いなく一つになっていた。最後の最後まで高い盛り上がりを見せていた。何度も観客と一緒になってジャンプをした後、この楽曲を終えた。

一旦、ステージに幕が下りたのだが、ファンからクラップが巻き起こった。すると、本当はアンコールをする予定ではなかったが、再度ゑんらが登場。急遽アンコールを行うことになった。アンコールでは、一番最初に披露したゑんら始まりの曲「心中ミッドナイト遊園」を披露。アンコールでもゑんらは、思いっきり歌って踊り、観客を大きく高めていた。盛り上がりは最高潮へ。ラストで余韻を楽しむように、ファンと一緒に何回もジャンプをし、終えた。こうして、この3周年記念ワンマンライブは幕を閉じたのだった。

この3周年記念ライブは、『最高』の一言に尽きた。今までの思いを、うまくこのステージに昇華し、最高のパフォーマンスを見せてくれた。前述の通り、2020年はゑんらにとっても、苦しい1年間だった。だけど、ゑんらのみんなは、ゑんらのことをとにかく愛しているし、ファンの支えがあるからこそ、耐え続けることができた。
もしかしたら今までも、これからも、ゑんらの物語はどこか不器用かもしれない。だけど、それは紛れもなくゑんらの物語。共にその物語のページを描いていきたい。『起死回生』と題したこのライブ通り、今後、ゑんらはまた素晴らしい道を歩んでくれるはず。だから、変わらず一緒に進んでいこう。みんな、ゑんらのことが大好きだから。

Text:石山喜将
Photo:名和洋助

【セットリスト】

1.心中ミッドナイト遊園
2.アバンギャルドおばけ
3.アンバランス
4.つぼみ
5.オカルトブルー
6.妖怪ディスコ
7.迷い呪縛霊
8.呪いの飴
9.レトロ花子
10.君がいない
11.ホラーかわいい
12.リンネ転生
13.厄猫
14.さよならを教えて
15.だいだらぼっち

-アンコール-
16.心中ミッドナイト遊園

【プロフィール】

「煙のように変幻自在、枠に囚われない」をコンセプトに、木乃伊みさと、滝口ひかり、滝口きららの3人で結成された、完全セルフプロデュースユニット、ゑんら。
ゑんらは和をテイストに、楽曲制作、衣装、グッズ制作などをメンバーが自らが担当している。海外、アニメカルチャー、ミュージカルなどの進出を目指し、さまざまなエンターテイメントを追求しているグループ。

【ライブ】

◆ゑんら3周年記念ワンマンライブ〜起死回生〜
ニコニコ生放送にてアーカイブ公開中
https://live.nicovideo.jp/watch/lv330864167
(2021/4/19(月) 23:59 まで)

◆2021.3.28(日)ゑんら定期公演『噂のゑんちゃん』ラスト公演
チケット発売中
https://ontheinside.pigoo.jp/artist/25

【オフィシャルHP・SNS】

■オフィシャルサイト
https://wyenra.jp/

■オフィシャルTwitter
@wyenra