2022.05.08

• ライブレポート

真っ暗なステージに、青色のスポットライトが揺らめく。壮大な旅の始まりを思わせる音楽と共に、1人ずつステージに登場するONE BY ONE。新メンバーを5人迎え、7人での再スタートを切る。

再始動一発目にふさわしい一曲目『restart』。これまでのONE BY ONEのカッコよさも引き継ぎつつ、王道アイドルらしさも兼ね備えた華やかな楽曲だ。水色担当、金丸紗希のきらきらした主人公的表情がとても似合う。

ここで、ONE BY ONEの自己紹介パートに移る。それぞれの自己紹介がコール＆レスポンスの形になっており、新メンバーの名前と特徴が覚えやすい。

新メンバーである泡沫あさひは「最年長だけど最低身長」な青色担当、橘媛（たちばなえん）は「見た目はクール、中身は姫」な紫色担当、愛月こむぎは「日本一パンダになりたいアイドル」の赤色担当、彩星りりかは「新潟県から来た」オレンジ色担当、桜良はなは「ワンバイの末っ子リーダー」ピンク色担当であることをそれぞれアピールした。それに加えて引継ぎメンバーの2人は「ワンバイの太陽」陽向凛、「絶対的主人公」の金丸紗希。この7人で新たなアイドル人生をスタートさせる。

話題は数日前に公開された『restart』のMVについて。「前回のMVはカッコいい系だったんですけど、今回は王道アイドル系になりました」と話す陽向。「衣装もMVも白系、ホワイト系……白系って何？」と自分で自分にツッコみ、会場を笑わせる。橘が「レース系？」と、MVの可愛らしさや柔らかさを表現した言い方を提案すると、陽向と金丸も顔を見合わせて「そうそう！」と同調。さらに「新メンバーはMV撮るのも初だったよね？」と、新メンバーに話を振る陽向。泡沫は「（MVを撮っている最中に）緊張して、スモーク見た時に『これがスモークかぁ』と思った」とアイドルの裏側に圧倒されたことを告白した。
なんとなく雰囲気を察知した金丸が「（今ももしかして）緊張してる？」と新メンバーに尋ね、新メンバーの緊張を和らげる。しかし、新メンバーである最年少リーダー桜良は「出る前は心臓が痛かったんですけど、ファンのみんなの前に出たら楽しくて緊張ほぐれました！」と頼もしい一言。最後に金丸が「（緊張しているメンバーの）緊張をほぐすために、たくさんペンライト振ったり手拍子したり、推しをじーっと見てみたりしてください！」とファンにも一体になるよう呼びかけ、MCを締めくくった。

ライブ2曲目は『tonight tonight』、3曲目は『one’s ambition』。ONE BY ONEらしい、激しいダンスの連携が魅力的な曲が続く。カッコいい曲での桜良の表情管理がひと際目を引いた。『restart』での優しく穏やかな表情から一転、刺すような視線のクールな表情で、見ている人を自然とONE BY ONEの世界に引き込んでいく。さらに、彩星のキレがあって無駄のないダンスにも注目したい。振付のメッセージ性をシンプルに、しかし余すところなく伝える彩星のダンスは、グループの中でもソロパートでも、見る人を魅了する。

さらに雰囲気が変化し、4曲目『春の風』。青や紫の淡い光の中、少し切なさも感じられる楽曲へ。手拍子をするよう呼びかける金丸や、「今日という日を皆さんと過ごせて本当に嬉しいです」と呼びかける陽向からは、ファンとの一体感をとても大切にしている様子が伝わってくる。

ここでライブはまたMCパートへ。話題は「ONE BY ONEの好きな曲について」。泡沫が「『tonight tonight』と『君の声』」、橘は「最初は『one’s ambition』か『tonight tonight』だったけど、今は『春の風』」と答え、「全然系統違うじゃん」と陽向を驚かせる。「（橘）媛ちゃん普段洋楽とか聴いてるから、英語入ってる歌の方が好きなのかと思ってた」との陽向からの質問に、橘は「『春の風』は歌ってて楽しいし、最近（好きな曲が）変わってきた」と答えた。金丸は好きな曲に『restart』を挙げ、「ずっとああいう曲やってみたくて、新体制であの曲を貰って、新しい感じだなと思って嬉しかった」と喜びをにじませた。

「ペンライトで会場を推し色に染めてください」という陽向の曲紹介の後に始まったのは、5曲目『春の風』。王道アイドルな学園恋愛ソングで、青春がぎゅっと詰まった甘酸っぱさを感じられる。途中、センターでソロパートを歌った橘が、戻る立ち位置を見失うハプニングが。登場時、橘の見た目から「ギャル」だと勘違いしていたのだが、見れば見るほど橘媛という人間に興味が湧いてくる。どこか一瞬も見逃したくないような中毒性があり、これからONE BY ONEでどのようなキャラクターになっていくのか見逃せない。また、泡沫の伸びのある高音も、楽曲のアクセントになっていて美しい。ダンスの最中でも安定していて揺らぎの無い高音は、きっとONE BY ONEに欠かせない要素の一つだろう。

6曲目は『アンノウン・モーニング』。一人で迎える夜明けをイメージさせるこの楽曲は、ONE BY ONEの始まりと強さを彩る楽曲だ。曲調からはもの悲しさも感じられるが、ここからまた始まっていくという決意に満ちた歌詞や雰囲気からは応援歌のような印象も受ける。とても不思議な楽曲である気がした。

ライブも終盤。最後にONE BY ONEからのお知らせが発表になる。彩星から「5月2日、品川インターシティホールでのライブ」が、愛月から「5月4日、初のMプロ定期ライブ」、「5月8日に大阪遠征」がそれぞれ発表された。「よくできました！」と拍手をした金丸は、まるで二人の姉であるかのような表情。彩星と愛月も顔を見合わせて親指を立てて笑い合う。

最後に金丸が「今日はONE BY ONE新体制を楽しんでもらえたと思うんですけど、絶対に皆さん（今日だけじゃ）足りてないと思うんですよ。なのでこれからもたくさんライブに来てくれると嬉しいです。これから新体制7人で頑張っていきたいと思っているので応援してくれると嬉しいです、よろしくお願いします！」と頭を下げ、MCを締めた。

「めちゃくちゃ凝った振付とか表情に注目していただけると嬉しいです！」という陽向の言葉で始まったのは、最初に披露されたのと同じ楽曲『restart』。陽向の言葉通り振付に注目してみると、細かい音にも繊細な振りが当てられていることに気付く。ターンやフォーメーションチェンジなどもかなり多く、かなり疲弊しそうな大きな動きが必要だが、笑顔を絶やさないメンバーたちに驚く。さらにここでは愛月の愛らしさに目を惹かれた。動きや声の愛らしさはもちろん、愛月本人から溢れ出る「可愛い」が楽曲にぴったりだ。

ライブパートが終わり、最後はオープニングアクトを担当した「きゅるりんってしてみて」メンバーもステージへ。環が「今日不倫したりデートドタキャンして来た人は顔隠しな」の言葉で会場を笑わせた後、全員で写真を撮ってライブは幕を閉じた。

「今からがrestart」。その歌詞の通り、新たな一歩を踏み出すONE BY ONE。彼女たちのさらなる活躍に期待だ。

セットリスト

【ONE BY ONE インフォメーション】

■HP
https://nproduction-japan.com/artist/onebyone

■Twitter
@ONEBYONE_Npro

■YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCJ-CdSi1Rmcmb2f8faucO1A/featured

メンバーSNS

金丸 紗希
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陽向 凜
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泡沫 あさひ
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桜良 はな
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愛月 こむぎ
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橘 媛
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彩星 りりか
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筆者のプロフィール

本間 海鳴