3ヶ月連続で開催されているamiinAが主催するイベント『Arch Delta Tour”Trident”』。7月17日にMaison book girl、アイドルネッサンスを迎え、最終公演を行った。今回はMaison book girlのステージのレポートする。

2017年4月にリリースされたアルバム「image」の、1曲目にあたる「ending」がSEとして流れ、モノトーンの全身の黒の衣装を身に纏ったメンバーが登場した。メンバーのクールな表情に観客は目を奪われ、静寂に満ちた会場は独特な雰囲気に包まれた。そして「empty」のメンバーによる朗読劇が始まる。老人と子供との会話がミステリアスな雰囲気で淡々と続けられ、BGMには打ち込み要素の強い電子音から、蝉時雨の音など様々な音色が織り込まれており、奇抜な世界観を作り出していた。

朗読劇のあとは2017年7月19日にリリースされた「412」から「rooms」が披露された。変拍子の独特なリズム感は斬新で、そのリズムにシンセで構成されるピアノに近いメロディーと電子音が加えられ、まさに現代音楽とポップさの混じった「現音ポップ」が最大に感じられる楽曲だった。聞きやすくキャッチーなメロディーの楽曲は、Maison book girlの最大の魅力だろう。前述の通り、変拍子の独特なリズム感のある当楽曲は、踊るのが非常に難しそうであるが、メンバーは全くそれを感じさせず、難無くリズムに合わせたダンスを披露した。サビでは片目を隠し、体の向きや位置を様々な角度に方向転換させることで、パフォーマンスに躍動感や立体感を、ダンスを通して出し、深淵の闇に沈んだ心と、それをある種諦観するような様子を歌う当ナンバーを表現していた。

その後は、強いリズムが特徴で、サビでさらに強いビートが強調される「sin mornig」、ギター音の強いイントロからキーボードの不思議なコード感が一気に混ざり合い、激しいドラム音と進んでいく「 end of summer dream」、輪になってターンをしたり、サビ部分でキックなど特徴的なダンスをしたりする、「cloudy irony」と続いた。どれも悲しい過去や現在の感情が歌詞で表現されており、人間の心の闇を忠実に表現していた。

そして「faithlessness」が披露された。こちらもアルバム「image」に収録されている。イントロのパーカッションのようなサウンドや、「裏切られて。」、「裏切るの。」と何回もリピートされるサビの歯切れの良さは、楽曲の持つリズム感に非常にマッチしていた。さらに「現音ポップ」のメロディーラインに、曲中に入る観客のクラップ・コールが重なって、楽曲の盛り上がりをさらに高めていた。

未知のリフを奏でるインスト楽曲「int」では、メンバーがステージのスペースを広く使い、激しく”動物的”に体全体を使って踊るダンスは、心が揺さぶられた。まさに「歌詞のない良さ」を存分に堪能することができる楽曲だった。感性を揺さぶられる感覚だった。

その後はヴァイオリンのようなメロディーラインが目立ち、メンバーが合わせて輪になって踊る「townscape」、変拍子でありながらも他の曲に比べ、ポップさがやや強い「karma」、サビにおいて両手でマイクを持つ姿がユニークで、照明の”闇”と”光”の使い分けが非常に綺麗な「screen」と曲が続き、ステージも終盤へ。

「blue light」では、メンバーが輪になって手を繋ぎながら、イントロがスタートした。タイトルにもあるようにブルーな照明がステージを照らし出し、楽曲のクールさを増幅させた。ライブでも非常に力強く伸びがある歌声がメンバーの個性を際立たせていた。

そして再びメンバーが本を持ち、一列に並んで、朗読劇が行われる「opening」が披露された。序盤と終盤で同様のパフォーマンスを行うことで、観客に「機」と「結」を意識させ、本日の公演を”一つにストーリー(物語)”として完結させた。

どの曲も敢えて表情なくマネキンのように歌い、無表情で踊る姿は非常にクールだった。その芸術性の高さに目を奪わた観客も多かったに違いない。

シャーマニックなパフォーマンスから解放されたように、最後のMCでは彼女たちからも笑顔が見られ、告知を行った後、「ブクガ」のステージは幕を閉じた。Maison book girlはサクライケンタが作る唯一無二の世界観と、前述にあるように現代音楽とアイドルポップスが融合した独特の音楽性が高い評価を得ている。今回のライブでも存分にそれらの魅力が発揮されており、終始引き込まれるようなステージを披露していた。是非とも一度ステージで音楽性の高さ、ダンスのクオリティー、表現力を見て頂きたい。

【セットリスト】

1.SE
2.empty
3.rooms
4.sin morning
5.end of summer dream
6.cloudy irony
7.faithlessness
8.int
9.townscape
10.karma
11.screen
12.blue light
13.opening

【イメージギャラリー(全15枚)】

(文:セカイベ編集部 石山喜将 / 写真:菊島明梨