2023.05.12

• インタビュー

▼マジカル・パンチライン インタビュー目次

1. 1. 沖口優奈：『色々な出来事が自分を成長させてくれたから、8年目を迎えられている』
      
   2. 沖口優奈：『マジパンでやってきたという自分なりのプライドもあったし、ここまで作り上げてきたものを壊したくない』
   3. 吉澤悠華：『以前に比べてアイドルらしくなったし、考え方もすごく変わった』
      
   4. 山本花奈：『作るんじゃなくて、自分を受け入れてもらおうという気持ちになれたのが、2年目からだった』
   5. 益田珠希：『人と関わる機会が増えたから、自分のことを見つめ直す機会もできたし、もっとこうした方が良いんだろうなと成長できる部分もたくさん見つけられた』
      
   6. 宇佐美 空来『これから何年経ってもこの新鮮な気持ちとか最初の頃に思っていたことを忘れちゃいけない』
      
   7. 大変さを知っているからこそ、この期間でやれることはやらないといけない
   8. ドームツアーができるようなでっかいグループになりたい気持ちはもちろんある。すごく難しいことだと思うけど、その景色を見てみたい

色々な出来事が自分を成長させてくれたから、8年目を迎えられている

ーー久々のインタビューです。沖口さんからお話をお伺いできればと思います。結成7周年のワンマンライブを無事に終えました。7年間、色んな出来事があったと思いますが、今一度、振り返っていただきたいです。

沖口：7年間の間に、マジパンが結成してから今では同期のメンバーがみんな卒業しちゃって、一人になってからもこうやってマジパンが7周年を迎えて、今8周年に向かって走り始められているというのが、まずはすごくありがたいですし、嬉しいことだなと思いますね。それは、7周年記念ライブが終わってみて改めて思いました。やっぱりオリジナルメンバーが卒業して、そのまま解散するグループさんもこの5人の人数感だと多いですからね。やっぱり同じ時期を走ってきたグループさん、同じ時代のTIFに出演してたグループさんも最近、どんどん解散だったり、知り合いの人が卒業しちゃったりというのが6年目に入ってからすごく増えました。きっとそれぞれの未来に向かって卒業をしているんですけど、やっぱり私たちからすると、寂しさがあります。それを見ていると、ちょっと不安になっちゃう部分とかもやっぱり少しあって。みんなは卒業していっているけれど、「私は・・・」みたいに考えてしまうことも、ここ数年で増えたは増えたんですけれど、ライブをしてたり、マジパンに新メンバーが入ってきたりとか、メンバーの入れ替わりがありつつこうしてグループが続いていることが、良いところでもあると思っています。3人（益田、山本、宇佐美）が2年前に加入してくれたおかげもあり、グループ7年目にしては、他にはないフレッシュさが3人のおかげであると思っていますし、まだまだ走り続けられると考えているのが、今の気持ちで。ただ、やっぱり7年間を振り返ると、楽しかったことより大変だったことの方が多かった（笑）。

ーー確かにそうですね、間違いなく。

沖口：メンバーが変わるタイミングもそうですし、何かアクシデントだったりとか、それこそ前リーダーの卒業のタイミングだったりとか色々大変なことはありました。そんな諸々のタイミングで、メンバー間での様々な悩みとか、大変だったこととか、仲がギクシャクした時期もありましたが、ただそういう出来事が自分を成長させてくれたから、こうして8年目を迎えてるというのがあるんだと思います。多分、楽しいことだけだったら、満足して辞めちゃっていると思うんですよ、5年目くらいで。もしかしたらみんなと一緒のタイミングで卒業してたかもしれないし、マジパンも続いてなかったかもしれない。3人とも出会えてなかったかもしれない。そうやって考えると、大変なことはめちゃめちゃあったけど、それが別に悪いことじゃないなって、今になって思えるようになってきたんです。それこそこの前の7周年記念ワンマンライブに、杏ちゃん（浅野杏奈）とリーナ（小山璃奈）が観に来てくれたんですけど、やっぱり二人に会うと、7周年がより深いものになったという感覚があるんです。二人がいた時代のことも思い返しつつ、ただただ二人に今のマジパンを見せつけてやりたいという気持ちもライブやりながらやっぱりありました。「今のマジパン、こんなに良いんだぞ」と二人に見てもらいたいなっていう（笑）。でも、そんな気持ちになりながらも、活動していて色々なことがあったけど、大事な仲間なんだなって、7周年のタイミングで思えるようになりましたね。
今までは、マジパンって結構、良い感じになってきたかなと思うと下がっちゃって、また持ち直してきたかなと思ったら下がっちゃってと繰り返すようなグループだったので、8年目からそうはしたくないなっていう気持ちはあります。「良いな」と思ったらそのまま進んでいきたいです。

ーーそうですね。グループが上がってきたタイミングで、本当に色んなことがありましたよね。もちろんコロナ禍もやはり大きかったですよね。ただ、アイドル業界自体もコロナ禍で、どうしても存続できないというのが多かった印象で、色んな想いや考えとかもある中で、マジカル・パンチラインを続けてこれたということ自体が、まず一個乗り越えられたポイントではあるとは思いますね。

沖口：はい、そうですね。

マジパンでやってきたという自分なりのプライドもあったし、ここまで作り上げてきたものを壊したくない

ーー沖口さん個人に関して、オリジナルメンバー3人が卒業したタイミングで、アイドルを続けたいという意志があったとお聞きました。詳しくお聞きしてもよろしいですか？

沖口：その3人が卒業するタイミングで、事務所の方と面談するタイミングがあったんです。それは3人が卒業すると聞く前に、事務所の方から先に「卒業したいって3人が言っている」と聞いて。「正直、グループが続けられる状況になるかはまだ分からないよ」という話をされた上で、「今後、沖口個人はどうしたい？」と聞かれた時、アイドルを続けたいというよりかは、”マジパンを続けたい”という気持ちしかなかったんです。もちろん、「他のアイドルのオーディションを受ける選択肢もあるよ」とも言って頂いたんですけれど、でも他のアイドルグループだったらもういいかなって思っていました。確か、4周年の前だったと思います。マジパンで4年間やってきたという自分なりのプライドもあったし、ここまで作り上げてきたものを壊したくない。逆に新しいところで新たなものを作るんじゃなく、この作り上げてきたものをまだ続けていきたいという気持ちしかなかったので、多分、「マジパンは解散します」ってもしも決定してたら、もうアイドルはしてなかったと思います。だから本当にマジパンを続けると聞いた時は、めちゃくちゃ泣いて喜んだんですよ。

ーーそうなんですね。

沖口：はい。本当に嬉しくて。

ーーなるほど、なるほど。グループが続くと決定した後、プロデューサーに就任しましたね。どういう経緯でプロデューサーになったのですか？

沖口：あぁ〜。マジパンは、さとれな（佐藤麗奈）がプロデューサーとリーダーをやるところからスタートしたじゃないですか。その後、4人が卒業していって、オリジナルメンバー1人が残った中で、最初からマジパンをずっと見続けてきたのって、私とKマネと社長、事務所の方しかいなくって。ましてや実際に現場に居たのって、私とKマネだけになったんです。ずっとグループを見続けてきた私だからこそできることがあったり、さとれながプロデューサーとリーダーでマジパンは始めたから、まずはそこへ沖口がいってもらいたいと言ってもらえたんですよ。
さとれなにまずは並ぶという訳ではないんですけど、さとれながプロデューサーをやっていたという歴史があるから、沖口もプロデューサーとリーダーをして、まずはさとれなに追いついて、そこからグループを伸ばしてもらいたいというお話を頂いたんです。ただ、めちゃくちゃ大変だと思うし、今までリーダーをしてただけでもあたふたしてやってきてたのに、「おそらくすごく負担が増えると思うけど、大丈夫？」と、Kマネさんに声をかけて頂いたんです。
だから、別にプロデューサーの話を受けるも、やりたくないですと言うのも自由で、別にやらないからと言って何かある訳じゃないから決めて良いよって言ってもらえたりもしたんです。ただ、せっかくそうやって期待してもらえるんだったら、やりたいなとすぐに思えました、悩む暇なく。
私が大変になったとしても、あのタイミングで加入した新メンバーの3人も、ゼロからそのグループに入って、おそらく大変な思いをするだろうし、悠華は悠華で初めて先輩になる訳だから、そこの部分でも大変になると思うし、それだったら私がプロデューサーをやっても、みんなも大変だから逆にやりたいなという気持ちもあります。それに、アイドルって安定しちゃうと成長するタイミングがないと思うんです。ある程度のところまでいったら、なかなか成長するのが難しいなと感じるんですよね。

ーーそうですね。曲も覚えるのが早くなって、歌も歌えるようになったら、メンバーとしての新たな試みや成長チャンスは少ないですからね。

沖口：デビュー当時よりかはできるようになりましたからね。新メンバーも、悠華もみんなはきっとどんどん成長していくだろうから、その中で自分だけが成長しないのって、自分としても楽しくないし、ファンの人も見てて楽しくないだろうなと思ったから、新しくプロデューサーを始めたら、自分がまた成長できるんじゃないかなと思って、「やります！」って言いました。そういう経緯ですね。ちょうど2年前ぐらいの、3人が決まりましたという直後くらいだったと思いますね、そのお話は。確か2021年のオーディションの時期に決まったと思います。

ーーそうだったんですね。そのような想いがあったんですね。もちろんプロデューサーに就任したことで成長したい気持ちもあると思うんですけれど、引き受けようと思ったのは、辞めない理由の一つとしてあった、マジパンでアイドルをしたいからというお気持ちもありますよね。

沖口：うん、そうですね。やっぱり、私はマジパンに拘り続けているから。そのマジパンを、自分がプロデュースすることによって、また別の角度から良くなったりとか、正直、技術面や音楽性の話だったりとかは、もちろんレコード会社の方だったりの方が詳しいので、正直まだまだ勉強中ですし、全然何もできてない状態ではあるんですけれど、ただその中に私が入ることによって、ちょっとでも良い影響があれば良いと考えています。

ーーなるほど、そうなんですね。沖口さんがプロデューサーになってから、『キラハピ』というコンセプトに変更しましたね。以前お話をお伺いした時は、新メンバーが入ってから、そのコンセプトがグループに合ってきたとお話されていましたが、その後はどう変化していきましたか？

沖口：最初、コンセプトを決める会議から始まり、その時に改めて「マジパンをどうしたいか？」と考えた時に『キラハピ』という分かりやすい単語じゃなくて、毎日みんなが行きたいと思えるような、どんなに辛いことがあった時でも、”楽しいな”って思ってもらえて、来たら楽しみたいという気持ちになるテーマパークみたいに、マジパンのライブ会場に入るだけでワクワクしたり、気分が明るくなったり、明日からまた頑張ろうと思えたりとかを世界中のみんなに思ってもらいたいという本当にフワッとしたところから考えは始まりました。
とにかくみんなを明るくするグループにしたいんですよね。先ほどのお話の通り、今までのマジパンって、結構ファンの方もどこかハラハラしたりとか、ネガティブな意味合いでみんなが一緒に泣いてくださるというグループだったので、今のメンバーになってから、とにかく楽しいことだけでみんなの感情を動かしたいというのがまずありました。プラスポジティブな意味で、嬉しかったり、楽しかったり、感動したりという涙を流せるというようなグループになりたいなと思い、それを会議で出して、それが揉みに揉まれて、『キラハピ』という、すごくぎゅっとなりました。

ーー確かに、すごくぎゅっとしましたね（笑）。

沖口：分かりやすい方が良いんじゃないかみたいな話になって、『キラハピ』という単語が出てきたんです。今までの”魔法”というコンセプトは少し難しかったと思うところがあって。

ーーまぁ、曖昧ですからね。

沖口：そうなんですよ。魔法って正直、「ハリー・ポッター」でしか見たことないし（笑）。メンバーはメンバーで、魔法を使えた訳ではないから（笑）。ライブを見た後に、「すごいマジカルな空間だったという言葉だった」とか全く無く（笑）。

ーー確かに見たことはないですね。

沖口：無いですよね。その、なんていうんだろう？ メンバーのスタイルが良いとか、リーナの裏声が良いなどと褒めてもらえる言葉はあったんですけど、グループとしては、エゴサしててもなかなかその言葉が見つからなくって。ただ、『キラハピ』というコンセプトになってからは、マジパンとエゴサした時に、『キラハピ』という単語自体はファンの人しか知らないので、言葉として出なかったり、見なかったりしても、自分が思い描いてたように、マジパンのライブを見ていると元気になるとかメンバーの表情がめちゃくちゃ良いとか、「見ているだけで明るい気持ちになったわ」という言葉を見る機会が増えたんです。それって、2年前に自分がなりたかったグループ像に近づけていることなんだなと、実感する機会がすごく増えましたね。みんなの努力のおかげもめちゃめちゃあります。だから、自分がみんなに思ってもらいたいという言葉がしっかりと目に入ってきているので、嬉しいですし、このコンセプトにして良かったなって思います。

ーーそうですよね。メンバーの努力がもちろんある中で、沖口さん以外の4人のメンバーの皆さんが変化したポイントや良くなったポイントをプロデューサー目線で教えていただけますか？

沖口：全部なんですけど（笑）。まず、私が2年目の時はこんなにできてなかったって、めっちゃ思うんですよ（笑）。私が2年目の時、歌とダンスとの両立がまずできていなかったんじゃないかなと思うんです。踊りは頑張っているけど、歌は全然安定していなかったし、声がすぐひっくり返っちゃっていたし、息切れもめっちゃしてたし、という。ダンスもダンスで、今振り返って見てみると、4年目の段階でも何踊っているんだろうと自分でも思うぐらい出来てなかったのに、みんなは2年目と思えないくらいの成長スピードなんです。本当に見た目だけじゃなく、歌だってめっちゃ安定しているし、ダンスもちゃんとお客さんに伝わるように踊れていますし、すごいな！って純粋に思います。自分の2年目と比べた時に、これほどできていなかったし、今のみんなほどこんなにちゃんとグループのことを考えていたのかなとか、ちゃんとグループのことで悩めていたのかな？と思っていて。それを思ったのが、この前の7周年のライブの時なんです。リハーサルがめちゃくちゃあったんですね。全曲ライブだったので、もう毎日のようにありまして。毎日、同じ場所に行って、毎日リハして・・・というのが1月末からずっと続いてたんですよ。4人は全曲ライブを実施するにあたり、今までのライブでやったことのない曲を覚えないといけなかったんです。覚えるだけでもきっと大変なのに、そのやったことない曲を1日の期間とかで完成させなきゃいけなかったんです。私が3日とかかかってやっていた曲ですよ。でもしっかりみんなできていて、成長速度がめちゃくちゃ早いなと感じました。あと、みんな大変な中でやってたから、色々悩んでいるんだなっていうのも、毎日会ってたら分かるんですよね。表情の変化とかで「今大変なんだろうな。今辛いんだろうな」というのを感じつつ、ただもう進むしかない。リハも一ヶ月前から決められてたから、毎日やらなきゃいけないものをクリアしていかないといけなかったんです。

ーーそうですよね。あれほどの曲数を披露しましたから。しかもメドレーも入ってくるとなるとさらに大変。

沖口：そうなんですよ。メドレーだと繋ぎもあったので、やったことのある曲でも変わるんですよね。ちょっと新しいものが入ってきたりとか、フォーメーションも変わったりもあるから、色んなことをやらなきゃいけないんですよね。「今、パンクしてんな〜表情」みたいな。空来ちゃんとかね（笑）。あ、なんかテンパっているな、みたいな（笑）。そういうことが結構あったんですけど、一年前とかだったら、もっと沈んでたんだろうなというところを、次の日にはもう持ち直して表情明るくなってた時もありましたので、メンタル面でも最初の頃よりもめちゃくちゃ成長したんだろうなと思いました。もちろん悩むことはあると思います。それはできるようになったことが多くなった分、増えてるだろうし。その最初の時はとにかく・・・。

宇佐美：（喉から音が鳴る）

沖口：なんか鳴ったよね、今？

一同：（笑）。

沖口：豚の鳴き声みたいな音が鳴ったけど（笑）。

宇佐美：鳴っちゃった（笑）。

沖口：鳴っちゃったね（笑）。

ーー前の取材の時も鼻が鳴っていましたよね（笑）。

沖口：鼻が鳴ったって！（笑）

一同：あははは（笑）。

山本：鳴らしがち（笑）。

（Kマネ）：ちゃんと記事に書いておいてくださいね。

沖口：宇佐美、鼻鳴らしがちって（笑）。

（Kマネ）：カットしませんから。

ーー（笑）。

沖口：やっぱなんかその・・・。

宇佐美：（また音が鳴る）。

沖口：めっちゃ鳴らすやん（笑）。

一同：（笑）。

ーー体から音が鳴るのかもしれないですね（笑）。

一同：あはは（笑）。

沖口：話に戻ると、一番最初のワンマンライブの時は、ただただ必死で、ただただやってただけだと思うんですけれど、それ以降は自分をどう見せたいとか自分の課題とかもきっと見えてきてる時期だからこそ、色々悩んだりしているんだろうけど、それをちゃんと乗り越えていくような姿勢が見えるんですよね。それはすごく良いことだと思うし、諦めちゃう人はそこで諦めちゃいますからね。”悩む”ってすごいネガティブな言葉みたいだけど、悩んだ後は成長しかないと思っていて、悩んで乗り越えようとする時間が大事だと私は思っているから。その悩んでいる姿だったりとか、それを乗り越えてやっている姿だったりとかを、この7周年のリハの時にたくさん見れたので、みんなすごく成長しているんだろうし、成長しようとしているんだろうなと感じました。

ーーなるほど、なるほど。良い意味で捉えて欲しいのですが、7周年ライブを見させて頂いた時、ライブが凄くてビビりました。もちろん、たくさん練習したのは分かるのですが、こんなにもパフォーマンスが成長するんだと思いました。

沖口：いや、本当に。

ーー率直にすごいなと思いました。

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